「五百らかん寺さざゐどう」
(ごひゃくらかんじさざいどう)
お江戸見物で深川の八幡様から足を延ばした「五百羅漢寺」と「さざえ堂」、
最前列にはカップルも…
現在の江東区大島町にあった、禅宗の一つである黄檗宗の天恩山五百羅漢寺を描いています。(現在は、下目黒に移っています。)
当時高楼として人気があり、ここからは富士山を眺望することが出来たそうです。その賑わいを描いた作品です。
芸妓・子供・武士など様々な階級の人を描き分けた北斎の表現力の素晴らしさを象徴する作品で、不思議な空間の広がりを感じさせます。
❶人々で賑わう五百羅漢寺から見る富士山。
❷着物を着た芸者が二人並んで遠景の富士を楽しんでいます。
❸刀を差した武士の姿も見られます。
❹拭き下げぼかし。版木ではなく摺師が水分の調整でぼかす、高度な技術が必要な部分。
❺人間国宝・岩野氏兵衛氏が作る和紙・越前生漉奉書(えちぜんきずきぼうしょ)を使用。木版独特の鮮やかな発色や柔らかみのある風合いを作り出しています。